避妊手術と去勢手術は、動物病院で最も頻繁に行われている手術で、当院でもさせていただくことが多い手術です。 その中には不妊を目的とした通常の手術だけでなく、病気になってしまった精巣や子宮の摘出を行うこともあります。
下の二つの写真、一つ目は通常の去勢手術の様子、二つ目は避妊手術の様子です。共に病的に全く問題のない健康な状態です。
次の二つ、「潜在精巣」といい、片方の精巣がお腹の中に留まってしまっている子の手術の様子です。 陰嚢の中と、お腹の中、二つの部位から取り出す必要がありますので、傷口が2カ所になってしまっています。
お腹の中に留まっている精巣は、陰嚢の中の精巣よりも腫瘍になりやすいと言われています。 では、実際に腫瘍になってしまった潜在精巣の手術の様子です。
上の写真の、一つ目はお腹の中の腫瘍化した精巣を出しているところ、二つ目は取り出した精巣と脾臓です。大きい方の精巣がお腹にあったもの、小さい方が陰嚢にあったもの、脾臓はしこり(良性のものでした)が術前の検査で認められましたので、同時に摘出しています。
下の最後の写真は、卵巣がんと、子宮蓄膿症(子宮に膿がたまる病気)が併発してしまった子の卵巣と子宮です。 卵巣は腫瘍化して大きくなり出血が見られます。また子宮には膿がたまり腫れています。
以上、なかなかショッキングな画像も載せてしまいましたが、病気の精巣・卵巣子宮の摘出は、健康な状態で行う手術と比べて、身体にかかる負担は格段に高くなります。
麻酔・手術は健康な子であっても、全くリスクがないわけではありません。 ですが、健康なときに手術を頑張ることで将来の病気を防げる、ということも一度考えてみてください。