2才のシーズーの女の子です。
アレルギーの治療のため、別の病院でステロイド剤を処方されていました。
飲み薬のステロイドだけでなく、目薬、軟膏、スプレー、いずれにもステロイドが入った薬を使われており、まさに「ステロイド漬け」の状態でした…。
セカンドオピニオンのため当院を来院されたときには、ステロイドが原因で皮膚炎を発症していました。
写真の向かって右の内股とおへそのところがそうです。
内股の部分を拡大すると、
これは「医原性クッシング」と言って、ステロイド剤の過剰投与により、皮膚が薄くなり(菲薄化といいます)、白色面皰(白いニキビの様なもの)が形成されています。
ステロイド剤は当院でもよく使いますし、なくてはならない薬ではありますが、使い方を誤るとこのような事態が起きてしまいます。 現在、この子はステロイド以外の方法で、アレルギーの治療を行っています。
今回の病気は、本来であれば病気を治す立場である獣医師がおこした病気と言っても過言ではありません。
お薬とは上手くつきあっていかなければならないと、私自身も改めて考えさせられた症例でした。